第012話 「分かっているけど、できていない」はすぐに対策を!
「分かっているけど、できていない」はすぐに対策を考えよう!
トピックスでもご紹介しましたが、1月20日(金)に株式会社アクティビスタさん主催の
経営者勉強会にて講師をさせていただきました。
この勉強会は完全招待制の会員のみが参加できるもので、規模としては小さいものの優秀な経営者が集まる勉強会です。
どの企業様もしっかりとした経営理念を掲げておられ、尊敬できる経営者の方ばかりでした。
いつも大学院で社会人の方々向けに講義をしていますが、やはり経営者ばかりの勉強会ということで、いつもと違う雰囲気のセミナーで、大変緊張しまいた!
新年1回目で、年頭に計画を作る会社も多いだろうということから、テーマは事業計画の有効活用法についてでした。
事業計画については、作成している会社と作成していない会社があると思います。
一般的に作成しない理由は、
・どうやって作成したらいいかわからない
・作成に手間がかかりすぎる
・そもそも作成するメリットが感じられない
というものかと思います。
また、事業計画を作っている会社でもその目的は
・金融機関への提出用
・補助金申請のため
・なんとなく (これは意外と多いのではないでしょうか)
という企業が多いと思われます。
確かにこのような目的では事業計画を作る手間に合わないかもしれませんね。
今回私がお話しした内容は、
・事業計画書は書籍等で書かれているような膨大なものである必要は必ずしもない。
自社に合う計画を作ること
・事業計画ではビジョンを明確にすることが必要であり、そのビジョンに対して社員
が共感していること
・事業計画を達成するための仕組みが内部で構築されており、かつ進化の仕組があること
等でした。
セミナーが終わった後の懇親会で、
「大変勉強になりました。自社がいままでやってきたことが間違ってなかったと確信できました」等、ポジティブなお言葉を参加者の方々から頂き、ホッとした半面、以下のような言葉も頂きました。
「大事なのはわかっているんですが、なかなかできてないんですよね~」
これ、気持ちは非常によくわかります。日々実務で飛び回っておられる経営者の方であれば納得感が高い言葉かもしれません。
しかし、私がこれまで見てきて経営者で、会社を成長させる経営者と会社を衰退させる経営者の差はこの「わかっているけど」へのアプローチにあるように思います。
「理解できていないし、実施できていない」というのは企業経営の段階としては初歩になると思いますが、理解していないのなら実施できないのは当然です。
ただ、こういう経営者の場合には理解した翌日から実行して成果を上げる人も一定割合おられます。
一方で、壁が厚いのは「理解しているけど、実施できていない」という状態です。
この主な原因として考えられるのは、
1.そもそも仕事の優先順位が適切でない
2.実施したい気持ちはあるが、適切な実施の仕方がわからない
3.間違った方法でやっている(これは一応実施はしているということになりますが)
優先順位がもしも適切でないとすると、、、。
日々多忙な経営者の方々は、一般社員と比較しても業務が多く成りがちです。目の前の業務につい没頭するあまり、優先順位付けが曖昧になってしまうというのは残念ながらありがちです。
しかしながら、事業計画達成のために、一歩立ち止まってその対策を考えるというのは経営者として優先順位はかなり高いはずです。
目の前の緊急事態に気持ちが奪われるというのは理解できなくはないですが、七つの習慣でいう第二象限(重要だが緊急ではない事項)に時間を取り、自ら(自社)を振り返るというのは時間投資に対して十分にリターンが取れる活動です。
どうも時間がとれなくて、、、という経営者の方はご自身の時間を割振りを一度見直していただくことをお勧めします。
「適切なやり方がわからない」、あるいは「やっているけどうまく成果がでない」という方は、もしかすると書籍や一般的なセミナーで語られているやり方に固執しすぎているかもしれません。
事業計画は各社各様であることが当然で、また経営課題についても各社各様だるのは当然です。また企業文化や社員の性格など、各社で違います。したがって、事業計画の活用・推進の仕方も各社各様であって問題ありません。
また、最初から完璧にうまく活用できるというよりは時間をかけて徐々に活用方法をレベルアップさせることも必要です。
場合によっては外部の経営コンサルタントの知見を活用することも有効だど考えますし、信頼できる方に社外役員となってもらって指導をうけるということも成長を加速させるのに貢献します。
また、今回私が講師をさせていただいた経営者勉強会のように他の経営者から意見をもらうというのも非常に良い方法ですね。他にも方法はいくつもあると思います。
これまで私が見てきた経営者で、事業をうまく成長させる方は、課題の優先順位、その解決方法、効果測定等を愚直にやられる方で、地道に一歩ずつ会社の自力を付けさせるタイプでした。
このタイプの経営者はコミットした数字への達成意欲が高く、同様に社員にもそれが定着します。結果として社内にノウハウがたまり、成長を実現できる経営者と言えます。
一方で、会社を衰退させる経営者は、この一歩一歩を積み重ねず、流行りの経営手法等に飛びつくタイプが多いです。先のタイプの経営者とは逆で、数字へのコミット感が弱く、原因を他責(例えば市場が冷え込んでいるとか、競合がアンフェアなことをしている等)にします。結果として社内にノウハウが蓄積されづらく、数字も達成できません。
こういうタイプの経営者の元では企業は衰退の道に進みます。
さて、皆さんはどちらを選ばれますか?
私は「すぐに対策をして会社を成長させる」方を選ばれることをお勧めしたいと思います。
「分かっているなら、やりましょう!」
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